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やすんごのギリシャ・イタリア紀行(その9)
アクロポリスの神殿と遺跡
   

(ディオニュソス劇場とイドロ・アティコス劇場の跡)

 アクロポリス博物館の後は、いよいよアクロポリスそのものの見学である。アクロポリス博物館は、アクロポリスのふもとにあるので、正門をでると隣の丘がアクロポリスである。

 アクロポリスへはいくつか登り口があるが、ディオニソス劇場の遺跡と、イロド・アティコス劇場がある場所から登ってみた。ディオニソス劇場は古代ギリシャの円形劇場であったが、いまは遺跡となっている。一方、イロド・アティコス劇場は、ローマ時代に建てられた劇場であり、アーチを多用した正面のファサードが残っている。こちらの劇場では、今も音楽を演奏することがあるという。
 
 
 イドロ・アティコス劇場の遺跡。半円形の座席とファサードの
アーチが特徴。

(プロピライアからパルテノン神殿、エレクティオン)

 さて、この二つの劇場を横目でにらみつつ、アクロポリスへの道を急ぐ。石造りの階段を上ると、石造りのゲートがある。これをくぐるとドーリア式の円柱が重なった場所にでる。非常に大きさを感じるので、アクロポリスに来たという実感がわくが、これはパルテノン神殿ではなく、プロピライアと呼ばれる場所である。この右手にはニケ神殿がある。アテネ人は、勝利の女神であるニケがアテネを飛び立てないように羽根を切ったニケ像を飾っていたという。

 階段を上りつつ、この場所を通り抜けると、いよいよアクロポリスの丘の上に出る。右手に巨大なパルテノン神殿がそびえる。しかし、この神殿は、現在も修復工事が続いており、建物の外側に足場が組まれ、あまり見た目がよくない。

 近くによってみると、巨大なドーリア式の列柱が並んでいる。高さは10メートルに達する。このパルテノン神殿はギリシャで最大級の神殿である。そして内側にはイオニア式の列柱がある。そして、イオニア式列柱の上には、アクロポリス博物館でみてきた市民の行列を表したレリーズがおかれている。これは、もちろんレプリカであるが、なかなかよくできており、この場所に設置されることが似合っている。

 修復作業のための足場は組まれていて写真にとると醜いが、やはり巨大なパルテノン神殿を自分の目で見ることはすばらしい体験だ。ぐるぐると一周してみる。西欧文明の出発点、民主主義や西洋哲学の聖地という意味で、この場所が象徴するものを考えると、やはり一度は訪れたい場所だ。

 パルテノン神殿の脇には、エレクティオンと呼ばれる建築物も存在する。複数の神々を祭った建物という。特徴的なのは、屋根をささえる円柱が、この建物では女性像になっていることである。非常に優美な建築である。

 
 プロピライア。巨大な柱のある階段。
 
 巨大なパルテノン神殿の遺跡。柱は10mの高さ。
 
(アレオス・パゴスと古代アゴラ)

 アクロポリスの主要な建築物を見て回った後は、古代アゴラ方面に向かう。ここにアレオス・パゴスと呼ばれる小高い丘がある。ここは、紀元後1世紀、使徒パウロがアテネを訪問して、キリスト教の布教活動を行った場所という。使徒パウロは、キリストの復活をアテネ人に説教したが、アテネ人たちは、「死者がよみがえる話しなんて明日聞く」として、取り合わなかったそうだ。このため、使徒パウロは当時のギリシャ世界の中心であったネフプリオに行くことになる。こうした歴史の現場が、アクロポリスそばにもある。

 さらに古代アゴラに進む。ここも遺跡が残っている。広場や討論の場ということだが、多くの商店も出ていた市場的な機能も備えていたとのこと。紀元前5世紀から4世紀にはソクラテスやプラトンが議論した場所であろう。遺跡が広い範囲に存在する。

 
 アレオス・パゴスの丘
 
 
   
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