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やすんごのギリシャ・イタリア紀行(その26)
断崖絶壁の村チンクエ・テッレ
   

(世界遺産の町チンクエ・テッレ)

 ジェノヴァから東に1時間ほど走ると、ラ・スペーチアという港町にでる。ラ・スペーチアは、香辛料という意味だ。軍港でも有名である。ここで鉄道に乗り換えて世界遺産のチンクエ・テッレにいくのだ。

 チンクエ・テッレは断崖絶壁にある陸の孤島なので、昔は船でしか通えず、現在でも、陸上からはこのラ・スペーチアからの鉄道しかチンクエ・テッレにいく手段はない。チンクエ・テッレは5つの村(土地)という意味のイタリア語である。

 ラ・スペーチアの駅で列車乗って出発を待ったが、12時発のはずが10分たっても出発しない。イタリア流だ。どうもインターシティの列車を待っていたらしい。やっと走り出すと11分でマナローナに着いた。マナローナ駅も崖の上にあり、降り立つと寒い上に非常に風が強い。体感温度はゼロ℃以下だ。こうした寒さはミニスカートの女の子たちには厳しい。トイレへの行列に比例して、見学時間が消費されていくのはしかたない現象だ。

 マナローナの集落は断崖絶壁の上に小さな家々が肩を寄せるように集まっているだけだ。そもそも家を建てることのできる土地が限定されているのだろう。ここからリオマッジョーレへと続くのが「愛の道」だ。本来この道は鉄道建設の際に火薬などをおいた倉庫と現場を結ぶ道であった。隔絶された地域で昔ながらの生活や建物に住んでいるだけの時代遅れの土地であったが、ある時、女性新聞記者が土地をロマンチックな観点から取り上げて記事にした。この記事が火付け役になって、イタリアで人気が高まり、世界遺産にもなり、いまでは世界各国から多くの観光客が来るようになった。

 愛の道は、海岸の急峻な崖の上に整備された歩道であり、石が敷き詰められているので歩きやすく整備されている。この名前のせいか、途中のトンネル近くにあるコンクリートの壁は一面が落書きで埋め尽くされている。また、金網には解けない永遠の愛の象徴として錠前に鍵を閉めてその鍵を海に捨ててしまうという行為がはやっているようだ。カップルで訪問するにはよい場所と思うが、もっと暖かい季節がおすすめだ。

 
 
 チンクエテッレ
 
   
(チンクエ・テッレのワイン)

 私たちがチンクエ・テッレに来たかった大きな理由の一つはワインである。チンクエ・テッレの村々は生きる手段をワイン製造に求め、古くからジェノヴァ商人によって広く販売されたという。DOCチンクエ・テッレはワインの勉強の中で覚えるべきワインの一つとなっている。アカデミーデュヴァンの矢野講師もおすすめである。

 私たちは、ワインをなんとしても入手したかったのであるが、ここまで多くの時間を使ってしまったため、電車が出るまであと20分しか時間がないという。ここで団体から分かれて、路傍のトラットリアに入ってみた。半分くらい埋まったテーブルでは美味そうな料理を食べており、本当はワインをとりながら食事をしたかったのだが、ワインだけの注文にした。

 DOCチンクエ・テッレは、白ワインであるが、シャッケトラという高級な甘口もあるというので、両方を1杯づつグラスで注文した。辛口の方は、シェリー酒にも似たちょっとひねた酸化熟成の味わいのニュアンスがある。甘口の方は、黄金色を通り越して琥珀色に輝くワインであり、濃厚な蜂蜜のような味わいである。ただし、高額である。結局、この店でシャッケトラという甘口ワインを1本(375cc)90ユーロで購入し、駅に急いだ。

(本場リグーリアで食べるジェノヴェーゼ)

 時間ぎりぎりでグループに合流したのだが、ここで問題が発生。乗る予定の電車が運転中止という。次の電車までさらに30分時間があるという。

 このため、しかたなく駅前のトラットリアでパスタを食べることにした。店を急がせて出てきたのは、リグーリアソースのパスタだ。すなわち、日本ではジェノヴェーゼと呼ばれるバジリコのソースで、パスタ自体はやや平打ちのリングイニだ。リグーリア州で食べるにはこれ以上ふさわしいパスタはない。11人という大人数であったが、大皿からみんなでよそって大満足であった。

 食事を無事終え、何とか鉄道にも間に合い、リオマッジョーレの駅からラ・スペーチアに戻り、ここでバスに乗って旅を続けることになった。
  
 
 ワインが唯一の産業
 
 ワイン。
濃い方がシャケットラ。
 
ジェノヴェーゼ
 
 
 
   
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